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相続の知識

2012年7月11日 水曜日

H24税制改正(連帯納付義務の見直し)

先日やっとの思いで衆議院を通過した「社会保障と税の一体改革法案」ですが、その中からは相続税の基礎控除減額等の大幅改正項目は、除かれ消費税のみの改正にとどまりました。ただ、基礎控除減額等を含む相続税の大幅改正については、廃案になったわけでなく、またもや次回へ持ち越しということで、H25年度の税制改正で再び議論されることになりました。今回は、大幅な改正を控えていることもあり、軽微な変更にとどまりまったH24年度改正について、いくつかあるうちの「連帯納付義務の見直し」を取り上げてみたいと思います。

相続税は被相続人からもらった財産の割合に応じて、各相続人に対し課税される仕組みですが、実は「連帯納付義務」というのがあって、相続人の一人が、納税しなかった場合には、他の相続人が連帯して納付の責めを負うことになっています。ですから、最終的には他の相続人の税金を自分が肩代わりして納付することになる可能性があります。しかも、その税金には延滞税等の加算税も含まれるため、長期にわたり滞納した後、連帯納付義務者が納付を求められると、延滞税等を含め多額の負担を強いられるという問題がありました。その為、H24年度改正で一部、連帯納付義務が改められました。その内容は、以下の場合には連帯納付義務は解除される、すなわち、納税しなくてもよいというものです。

①申告期限から5年を経過する日までに税務署より連帯納付義務者に納付通知書が発せられてない場合
・・・税務署が連帯納付義務者に負担を求める際には、納付すべき金額等を記載した納付通知書を発する決まりになっていますが、申告期限から5年を経過したものについては、それより前に納付通知書が発せられていない場合には、連帯納付義務がなくなる様改められました。

②本来の納税義務者が延納又は納税猶予の適用を受けている場合
・・・本来の納税義務者が延納の適用を受けているケース等については、何十年という長期にわたって分割で納付をしていくため、その途中で本来の納税義務者の納付が滞り、申告期限から相当期間経過した後、連帯納付義務者が納付を求められるという問題がありました。その為、延納や納税猶予の適用を受けた税額分に関しては、そもそも連帯納付義務をなくす様改められました。

改められたとは言っても、連帯納付義務の制度自体は残っているため、各相続人は相続の際にそういうケースも考えられることを頭の片隅に入れておく事が大切だと思います。

投稿者 税理士 宮城 洋平