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相続の知識

2012年4月 4日 水曜日

遺産が未分割である場合の取り扱い

税理士事務所はだいたい毎年12月末の年末調整に始まり、3月15日の確定申告をピークに繁忙期が終わります。どうしても期限が設定されている仕事なので、遅れるわけには行かず業務が集中し、忙しくなってしまいます。当事務所も、その為(いい訳?!)しばらくブログを中断してしまいましたが、また再開していきますので宜しくお願いいたします。
期限の話が出たので、今回は相続税の申告期限について取り上げたいと思います。

相続税の申告期限は、皆様ご存じのとおり相続開始(被相続人死亡)の日から10か月以内とされています。所得税や法人税などのほかの税に関しては、余程のことがない限り申告期限に遅れてしまう、ということはありません。しかし相続の場合、他の税法と異なり申告期限までに他の相続人との合意が成立し、遺産分割を終えている必要があるため、申告期限に間に合わないという事態は、往々にしてあります。

相続税ではこのような場合(遺産が未分割である場合)についても、相続開始から10カ月以内に遺産が未分割の状態で申告書を提出し、納税をしなければならないことになっています。その場合の計算方法ですが、未分割の遺産を一旦、法定相続分等に応じて取得したものとみなして、税額を計算し、各々がその税額を納付しておきます。その後、実際に遺産の分割が行われた際に、再度正しい税額を計算しなおして、税額が足りなかった相続人は、追加で納税し、過大だった(払いすぎていた)相続人については還付されることになります。

この場合に注意が必要なのは、「配偶者の税額軽減」と「小規模宅地等の特例」の規定を適用したい場合です。両者とも相続税額を少なくする、大変有利な規定ですが、遺産が未分割の状態では適用がされないことになっています。したがって、未分割の状態で提出する、期限内申告書については両者の規定の適用はありません。その後、遺産が分割された際に適用を受ける事は可能ですが、原則的には期限内申告書の提出期限から3年以内に分割された場合のみとなっています。また、あらかじめ期限内申告書に「申告期限3年以内の分割見込書」を添付する必要があります。

また、3年経過後であっても、やむを得ない理由がある場合(訴訟が提起されている場合など)については、税務署長の承認を受けることにより、適用が可能となります。この場合には、当初申告期限から3年を経過した日の翌日から2カ月以内に「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出する必要があります。

投稿者 税理士 宮城 洋平