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相続の知識

2011年12月18日 日曜日

住宅取得資金の贈与について

子が住宅を取得する際に親や祖父母から援助をしてもらう話はよくあることですが、場合によっては贈与税が発生してしまうこともあるので、注意が必要です。今回は住宅取得資金の贈与について取り上げます。

親族間であっても、人から人へ無償で財産が移転すれば、財産を受け取った人に対し基本的には贈与税が発生します。贈与税には暦年贈与相続時精算課税贈与の2つの課税方式があり、それぞれ以下の要領で課税されます。

◆暦年贈与
移転した財産の価額から基礎控除110万円を控除した金額(a)、に以下の算式を当てはめて計算します。   
(a)の金額                          算式 (a)の金額  算式
2,000,000円以下 (a)×10%  6,000,000円以下 (a)×30%-650,000円
3,000,000円以下  (a)×15%-100,000円 10,000,000円以下 (a)×40%-1,250,000円
4,000,000円以下 (a)×20%-250,000円 10,000,000円超  (a)×50%-2,250,000円

例えば、親から子へ1,000万円を贈与した場合には、
(10,000,000円 - 1,100,000円) × 40% - 1,250,000円 = 2,310,000円 の贈与税が発生します。

◆相続時精算課税贈与
基本的に贈与税の計算は上記、暦年課税となりますが、一定の要件(贈与した年の1月1日において、65歳以上の親から20歳以上の子への贈与であること等)を満たせば相続時精算課税を選択することができます。
その場合には、2,500万円の控除があり、以下の算式で計算します。

(移転した財産の価額 - 25,000,000円) × 20%

例えば、上記年齢要件を満たす親から子へ1,000万円を贈与した場合には、
(10,000,000円 - 25,000,000円) < 0円  なので贈与税が発生しません。
※ただし、親の相続が発生した際に、贈与した財産の価額を親の財産に加算して、相続税を計算する仕組みになっているので、注意が必要です。

◆住宅取得等資金の特例
上記2つの課税方法は、どのような種類の財産を移転した場合においても適用される方法です。ただし、現在(平成23年)は住宅取得等資金の贈与に限り、特例が設けられています。以下の要件を満たせば、暦年課税における110万円の控除及び相続時精算課税における2,500万円の控除に追加して1,000万円(非課税限度額)の控除が認められています。

≪要件≫
受贈者(財産を受け取る人)の要件
・ 贈与を受けた時に原則として日本国内に住所を有していること。
・ 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属であること。
・ 贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であること。
・ 贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下であること。
・ 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築若しくは取得又は増改築等をすること。
・ 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること、又は、同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること。
申告要件
・贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に申告をすること。
※その他、対象となる家屋に面積等の要件がありますので、ご注意下さい。

したがって、暦年贈与であれば110万円+1,000万円=1,110万円まで非課税、相続時精算課税であれば2,500万円+1,000万円=3,500万円までが非課税となります。

平成24年以降の取り扱い
住宅取得資金等の特例は平成23年中の贈与までで、いったん終了することになりますが、先日閣議決定された24年度の税制改正大綱に3年間の延長が盛り込まれました。そのまま成立すれば、以下の内容で控除が継続します。

・現行1,000万円の非課税限度額は平成24年1,000万円、25年700万円、26年500万円に縮減(東日本大震災被災者に関しては、3年間1,000万円のまま)

・省エネ性、耐震性の高い住宅に関しては上記非課税限度額に追加して500万円の控除が追加されます。














                                                                     

投稿者 税理士 宮城 洋平